株式会社マーケティングアナリティクス代表取締役 丸山翔 氏
​『データサイエンティストを育成する仕組みを』

科学者としてのキャリアを積み、帰国後ビジネスの世界でデータサイエンティストに転身し、現在は日本企業にデータ分析や機械学習を用いたシステム開発案件の体制づくりの支援を行う。ご本人のキャリアから着想を得た、日本のデジタル人材不足の打開策とは。

 

―創業の経緯を教えてください。

まず私の経歴を簡単に話すと、元々アメリカの国立研究所で研究をしていたのですが、私のいた業界で大きな発見があり科学者としてのキャリアも一周したので、日本に帰ってきてパクテラさんでプロジェクト支援やデータ分析業務のコンサルタントとして働いていました。その後、担当していたお客さんに引き抜かれて保険会社のIT部門に行きました。経験業界は様々ですが、一貫して取り組んできたのはデータの品質管理と分析ですね。

個人としては大企業でそれなりの給料もいただいて特に不満もなかったのですが、商業データの分析ができる人材が圧倒的に不足していると言われている現状において、企業の一社員ではなく自分の会社を興して社会貢献がしたいという思いが強くなり、現在に至るという感じです。

 

―現在取り組まれている事業内容について教えてください。

お客様よりお話しをいただくのはデータ分析案件と保険業界向けのシステム開発などです。今最も注力しているのは、上場されているシステムインテグレーター様向けにデータ分析や機械学習を組み込んだシステム開発ができる社内体制を構築するサポートです。社内体制構築の面では、まず社内的にそういった案件に取り組めるという自信をもってもらうことが重要です。その上で、お客様にAI案件の取扱いができることについてPRをして、相談をいただける状況をつくるようにしています。B2Bの取引では信用が重要ですから、ベンチャー企業単体で取り組むよりも既に実績をお持ちの企業様と組むのが効率が良いと考えています。

―今後はどのようなことに取り組みたいですか?

これは私に課せられた使命だと思っていますが、科学者をデータサイエンティストに転換する仕組みを作ることです。

少子高齢化が刻々と進行している日本においては労働市場がどんどん縮小していくので、今我々が当たり前と思っているサービスの質や価格を近い将来維持できなくなっていきます。身近な例を挙げるなら、宅配サービスでは既に問題が顕在化しています。

ネット販売が小売りの主流になると宅配量が増えて売り上げが増えるわけですが、いいことばかりではありません。実際に配達するドライバーさんが足りなくなると、配達が遅延するか、値段を上げるしかなくなってしまいます。宅配業者さんもバーコードで荷物を管理したりGPSでドライバーさんを管理したり、ある程度IT化をしていると思いますが、より一層の効率化が必要になります。つまり、深層学習に代表されるような機械学習によって従来人間の知性が必要とされてきた業務に関しても人間ではなくシステムで担保するしかなくなるわけです。

 

 今挙げさせていただいた宅配サービスはあくまでも一例です。製品であれば海外から輸入すればいいかもしれませんが、日本人によって提供されているありとあらゆるサービスが今の品質と価格で提供できなくなるのは時間の問題ということになります。にもかかわらず、うまく機械学習などを扱える人材が足りない。プログラミングが小学校で必修化されるというのは素晴らしい政策ですが、今の小学生が大学を出るのは約十五年後です。その間にも少子高齢化はどんどん進行していってしまう。待ったなしの状況ですから、素養を持った人材を転換していくのが一番現実的な解決策だと思います。

 

 データサイエンティストには3つの能力が必要と言われていて、数学(統計)、プログラミング、ビジネス知識です。科学者はこの内のビジネス知識を除く2つを既に持っているわけですから、データサイエンティストになれるポテンシャルを十分に持っていると言えます。実際に十年ほど前からシリコンバレーに科学分野で博士号を持っている若手の研究者向けにデータサイエンティストになる短期のフェローシップを無料で提供し、大企業に紹介している会社があります。アメリカでできているなら、日本でもできるはずです。

 

 長い研究生活を経た科学者は、実は自分の市場価値を理解できず、どのような企業に、どう自分の価値を見せればいいか分からないという場合が多いです。研究者のキャリアとして教授のポストを検討する人は多いですが、ポストが空かない限りチャンスも回ってこないので、いわゆるポスドクとして、社会的にやや不安定な状況で長く生活をすることになります。そもそも大学や大学院には国税を投資しているわけですから、そこで教育を受けた人材が有効活用されていないのは、社会課題の一つだと考えます。

企業は採用が難しい人材を確保できてハッピー、不安定な短期の有期雇用に甘んじている若手の研究者も大企業で職を得られてハッピー、間に入る会社も手数料をもらえてハッピーというすべての関係者が幸せになりうる事業です。

ルネコンでは「社会課題を解決する」ということを掲げていらっしゃるので、この場を借りてデータサイエンティスト不足を一緒に解決していくための仲間を募集したいと思います。実際に役に立つデータサイエンティストを採用したいのに思うようにいっていない企業様、私のように学術の世界からビジネスの世界に入りたい博士号所有者の皆さん、新しい採用の経路とキャリアパスを共に作っていきましょう。

 

【プロフィール】

 

 代表取締役 丸山 翔

米国国立研究所での勤務を経て、コンサルタントとして国内大手コンサルティング・ファームの顧客向けデータ解析、外資系保険会社のペーパーレス設計・申し込みシステムの展開支援に従事。外資系保険会社ではペーパーレス設計・申込みシステムの品質管理責任者としてテストの計画・実行・報告、既存システムのデータ統合管理システムへの移行、リポートの自動化等を担当。起業支援会社入社後に機械学習ベースのシステム開発会社を設立し代表取締役社長に就任。

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